破産についてのQ&A

1.自己破産とはどういう手続ですか?
2.破産を申し立てるメリットとデメリットを教えてください。
3.自己破産にはいくら位掛かりますか?
4.自己破産した事を職場や知人に知られませんか?
5.自己破産したら、選挙権が無くなりますか?
6.自己破産したら、無一文になってしまうのでしょうか?
7.自己破産したら就けなくなる仕事があると聞きましたが本当ですか?
8.色々説明を受けましたが、やっぱり破産は出来ません。どうしたらいいですか?
9.免責とは何ですか?破産申し立てをすると必ず免責されますか?
10.自己破産をしても、無くならない借金があるそうですが、どの様なものがありますか?
1.自己破産とはどういう手続ですか?
自己破産とは、裁判所に申し立てを行い、破産管財人の関与の下に、破産者の資産を売却し、債権者に売却代金から弁済をして、それでも残った借金を裁判所の許可によって、免責する(支払わなくていいという意味です)手続です。法律用語では、「免責許可決定」と言いますが、この「免責許可決定」が確定する事によって、借金を免れる事が出来ます。
 しかし、全ての借金を免れる訳ではありません。例えば、裁判所に借金を正直に申告しなかったり、破産の申立をしているのにもかかわらずまた借金をした等、不誠実な態度が見られる場合には借金を免れない事があります。
2.破産を申し立てるメリットとデメリットを教えてください。
まず、メリットです。これは、何と言っても、裁判所から免責許可を受けた借金については支払いを免れるという事です。
 デメリットとしては、自己破産後、一定期間(原則7年間)は自己破産出来なくなる事やいわゆるブラックリストに登録され、数年間新たに借入れが出来なくなる事や一定の職業に一定期間従事出来なくなる事等です。
3.自己破産にはいくら位掛かりますか?
破産申し立てを行う場合、裁判所に予納金と切手を納める他、司法書士への報酬も必要となります。予納金と切手については、破産手続きに破産管財人が就くかどうかで異なります。管財人が就かない同時廃止の場合、予納金1万5千円程度、切手4千円程度かかります。管財人が就く場合、予納金50万円程度、切手1万5千円程度かかります。司法書士への報酬について詳しくは、こちらをご覧ください。
4.自己破産した事を職場や知人に知られませんか?
破産の申し立てを行った場合、債権者に対して裁判所より通知がされます。その他、官報で公告がされます。
もしも、職場や知人からお金を借りている場合には、残念ながら破産申し立てを行った事は知られてしまいます。しかし、お金を借りていない場合には、職場の方や知人が官報を見ていなければ知られる事はありません。一般の方が官報を見ている事は少ないと思われますので、自己破産の申し立てをした事は、あまり知られる事は無いと思います。
注意して頂きたいのは、不当な利益を得る為に、ヤミ金等、一部の者が官報をチェックしている事があります。この様な者からダイレクトメール等が届いた場合、絶対に連絡しない様にして下さい。
5.自己破産したら、選挙権が無くなりますか?
破産に関して、様々な誤解があります。選挙権が無くなるとか、破産した旨が戸籍に記載されてしまい子供にまで破産した事が影響するとか、家財道具一式まで根こそぎ財産を奪われて無一文になってしまう等、様々です。しかし、こういった噂のほとんどが、破産に対する誤った認識です。
破産者が受ける代表的な制限としては、以下のとおりです。
1.裁判所の許可を受けなければ住所を変更出来ない
2.管財人が選任された場合、郵便物が管財人に閲覧されてしまう
3.一定の職業に、一定期間就けなくなる
1については、破産申し立てをしているにもかかわらず、海外旅行に出かける等の不誠実な理由でない限り、例えば、今現在の家賃が高いので安い家に引っ越す等の場合には、裁判所の許可は得やすいと思います。
2については、管財人が選任された場合ですので、管財人が選任されていない場合には、この様な制限は受けません。
3については、後述致します。
6.自己破産したら、無一文になってしまうのでしょうか?
破産手続開始決定がされても、破産者が自分で管理し、自由に処分できる自由財産が個人の破産者には認められています。自由財産は破産しても破産者が自由に処分出来ますので、最低限の資産は手もとに残すことが出来ます。代表的な自由財産は下記のとおりです。これ以外にも、退職金や敷金、処分見込額の低い自動車等、場合によっては自由財産が拡張される場合もあります。
1.現金(99万円まで)
2.電話加入権
3.通常の生活に必要な家財道具
7.自己破産したら就けなくなる仕事があると聞きましたが本当ですか?
破産の申し立てをすると、手続が終了するまでの間、一定の職業については、就業制限があります。代表的な職業と致しまして、公認会計士等の士業、警備員、風俗営業の営業所管理者、質屋営業、自動車運転代行業等です。
会社の取締役も、破産をした場合には、一度退任しなければなりません。(但し、臨時株主総会を開催し、破産者を取締役に選任する事が出来ます。)
上記の就業制限について、ご心配な方は、専門家へご相談下さい。
8.色々説明を受けましたが、やっぱり破産は出来ません。どうしたらいいですか?
相談者の中には、どう考えても借金の支払いが不可能にもかかわらず、「破産だけは絶対に嫌」と仰る方がいらっしゃいます。もちろん、破産を申し立てるかどうかは自己責任ですので、自分の借金は必ず返すと考える事も潔い事なのかも知れません。しかし、当事務所ではこの様に考えます。
貸金業者はお金に困っている方々を横目に、圧倒的に有利な立場を利用して、利息制限法に違反している事を承知の上で高金利で貸し出しを行っていたのですから、返済出来ない方が出てきてしまうのは当然の事です。借金した方だけが悪い訳ではありません。
真面目な方ほど破産を嫌がりますが、借金から解放されて、どうか一刻も早く本来の自分を取り戻してください。
9.免責とは何ですか?破産申し立てをすると必ず免責されますか?
破産の申し立てをしただけでは、借金の支払いを免れる事は出来ません。破産の申し立てと同時に免責許可の申し立てをして、裁判所が免責を許可し、この許可決定が確定して初めて借金の支払いを免れる事が出来ます。
しかし必ず免責許可決定がされる訳ではありません。破産法には、免責不許可事由が定められており、不許可事由に該当する場合には、免責されない事があります。
不許可事由は細かく定められておりますが、大まかに言うと、破産者として債権者や裁判所に対して不誠実な行動をとったり、免責させるには不適当と思われる場合が該当します。
少し例を挙げると、ギャンブルをして多額の借金を負ったといった場合や、クレジットカードの現金化(業者から指示を受けて、返済の見込みが無いにもかかわらずクレジットカードを使用して商品を購入し、その業者へ商品を安い価格で売却してお金を得る事)をした場合や、破産申し立てをしているのにもかかわらず、高価な財産を、債権者を害する目的で贈与してしまう場合等です。
10.自己破産をしても、無くならない借金があるそうですが、どの様なものがありますか?
破産申し立てをしても、支払い義務を免れない非免責債権というものがあります。非免責債権は以下のとおりです。
1.税金
2.悪意の不法行為に基づく請求権
3.破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
4.養育者又は扶養義務者として負担する債務
5.雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預かり金の返還請求権
6.破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権
7.罰金等の請求権